作品:ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ 上・下 ハヤカワ文庫
 
 作者:オレン・スタインハウアー

 内容:「BOOK」データベースより
  ツーリスト―それはCIAがアメリカの覇権維持を目的に世界中に放った凄腕
 のエージェント。過去も、決まった名前ももたない者たちだ。元ツーリストのミロ
 は現役を退き、妻子と暮らしていた。だが、機密漏洩が疑われる親友の調査を
 命じられ、最前線に舞い戻る。親友の無罪を信じながらも、彼は監視をはじめる
 のだった ― 不確かな新世界秩序の下で策動する諜報機関員の活躍と苦悩を
 迫真の筆で描く、新世紀スパイ・スリラー。

  ミロは殺人の容疑で国土安全保障省に追われる身となった。上司グレインジャ
 ーのおかげで、間一髪、逮捕の手は逃れたが、愛する家族との絆は壊れつつ
 あった。いったい誰が仕掛けた罠なのか。ミロは親友の家を捜索し、陰謀の背
 後にひそむ人物の手がかりを得る。だが、明かされる真実は、ミロをさらなる苦
 境へと突き落とすのだった。彼に逆転の一手はあるのか?スパイ小説の新傑
 作。

 メモ:
  先日読んだ東欧の小国の刑事物はとても暗い印象だったが、この作品は別
 人が書いたのではないか、というくらい違う印象。文庫本の帯に「ジョン・ル・カ
 レ以降に書かれた最高のスパイ小説だ!」とあるのは、まあさておいても、最近
 のスパイ小説の中ではなかなかいい作品だと思う。