作品:リンボー ミステリ・ペイパーバックス 1995
作者:ケネス・ロイス
内容:「BOOK」データベースより
 大物実業家ダインの私邸で発見されたフランス国宝級の骨董品は盗品だった。 元英国特殊空挺部隊(SAS)に所属していたジャコーに事件の穏便な解決が依頼された。 事件そのものは単純に見えた。 だが、ダインの周辺からきなくさいにおいがつきまとって離れない。 彼はいったい何者なのか。 そんなとき、ジャコーの愛車フェラーリが爆破された。 次々と襲いかかる危機、そして殺人…。 事件にからむ中国人秘密結社、国会議員までをも巻き込む事件の真相は。 ヴェテラン、ケネス・ロイス会心のハードボイルド。

メモ:
 元SASのジャコーが英首相の私設相談役から、チャウシェスクがフランスのホテルのスイートから略奪したセーブル磁器の調査を依頼されるとこら物語は始まる。
 MI5、ギャングなどまで絡んで、なかなか面白く読めた。 何よりもお色気がないのがいい。
 そして、エピローグのところで出てくるのがタイトルの「リンボー」。 作品の翻訳は「地獄の果て」。
 「リンボー」と言えば「リンボー・ダンス」の「リンボー」くらいしか知らないので、ちと調べてみると。
 某ウィキによると、「リンボー」は「ラテン語:Limbus、英語:Limbo」で、訳は「辺獄」= カトリック教会において「原罪のうちに(すなわち洗礼の恵みを受けないまま)死んだが、永遠の地獄に定められてはいない人間が、死後に行き着く」と伝統的に考えられてきた場所のこと、ということらしい。
 なんだか気に入った。