作品:生贄たちの狂宴 上・下 ランダムハウス講談社文庫 2007
作者:デヴィッド・ヒューソン(UK)  
内容:「BOOK」データベースより
 テヴェレ川沿いの泥炭の中から、ほぼ死亡当時のままの状態の、美しい少女の死体が発見された。 服装や、埋められていた状況から、その死体は、何世紀も前に途絶えている古代カルトの儀式によって埋葬された、考古学的価値のあるものと思われた。 だが同じころ、ローマ市内では、その死体にそっくりな少女が何者かに誘拐されるという事件が発生していた…。 熱血新米刑事ニック・コスタが、時を超えたふたつの事件に挑む。

 『ディオニュソスと秘儀の館』― 古代カルトの儀式は、現代でも続いていた。 その背景には、ローマの暗黒街に関わる大物たちの姿も見え隠れしていた。 このままでは、誘拐された少女が新たな殺人事件の被害者となる可能性が高い。 少女の行方を必死に捜す刑事コスタ。 やっとのことで、遺跡の中にある『秘儀の館』を発見するが、恐ろしい罠が彼を待ち受けていた。 自ら儀式の“生贄”となってしまった彼が、そこで見たものとは…。

メモ:
 ローマ市警ニック・コスタ刑事のシリーズ第2弾。
 前作はカラヴァッジョの宗教画を模した殺害現場を舞台装置としていたが、今回は古代カルトの儀式を舞台装置としている。
 この作者音作品は、ローマという舞台をうまく活用した設定をしていると思う。
 「熱血新米刑事」とあるが、熱血ではなく、飽くなき好奇心を持っている刑事という印象。
 さて、第3弾をどうしようかなと。