作品:クリサリス ― 極秘ファイル奪回作戦 上・下 扶桑社ミステリー文庫 1993
作者:ジョン・トレンヘイル
内容:「BOOK」データベースより
 東西陣営によるヨーロッパを舞台にした戦争を想定し、英米両国は対ソ連の基本戦略を検討するため〈クリサリス〉委員会を設置した。 東独政府はこれを察知し、その内部文書を入手しようと暗躍を始める。 そしてある日、委員のひとり英国外務省のデイヴィッド・レスクームの自宅から、その妻アナとともに極秘ファイル〈クリサリス〉が消えた。 その内容があかされれば東西対立は激化し、西側陣営内にも亀裂が入りかねない。 ファイルの大きな価値を知った東独スパイ、クライストは組織を裏切り、アナを拉致し姿をくらます。 長編スパイ小説。

 極秘ファイル〈クリサリス〉と交換に100万ポンドを要求する脅迫状が届いた。 英米諜報部はアナの過去を洗い、東独のスパイで精神療法士のクライストを割り出し、潜伏先のギリシアに向かう。 一方、独自にアナの行方を追うデイヴィッドの前に次々と明かされる妻の未知の顔。 数々の妨害を受け、妻の過去に苦悩しながらデイヴィッドは諜報部に先んじてクライストをギリシアの小島に追い詰めるが…。 各国諜報部の暗躍の中、次第に明らかになる〈クリサリス〉の意外な側面と、その驚くべき意味。スパイ&サスペンスの力作。

メモ:
 内容を読む限りなかなか面白そうだが、妻とファイルが消えるまでの設定が今ひとつ腑に落ちなくて、その影響でなんとも読みにくい。
 物語の進め方がヒステリックなのと、「愛してる」というセリフが多すぎて辟易。
 先日読んだ2作と比べると、今ひとつな印象を持ってしまった。