作品:聖なる比率 上・下 ランダムハウス講談社文庫 2008
作者:デヴィッド・ヒューソン
内容:「BOOK」データベースより
 クリスマスの5日前。 ローマはいつにない大雪に見舞われていた。 そんななか、閉館後のパンテオンに侵入者がいるとの通報を受けたローマ市警刑事ニック・コスタは、相棒のペローニとともに現場へ向かう。 どうせ行き場をなくしたホームレスに違いない…。 だが、天窓から雪舞い降りる幻想的な神殿で彼らを待ち受けていたのは、背中に不可解な紋様が刻まれた女性の全裸死体だった―。 熱血新米刑事コスタシリーズ、第3弾。

 FBIの介入により、死体に刻まれていたのが「聖なる比率」と呼ばれる紋様であること、同様の他殺体がアメリカをはじめ各地で発見されていることがわかった。 FBIと協力して捜査を進めることになったローマ市警だったが、彼らは何かを隠しているようで、進展ははかばかしくない。 堪忍袋の緒が切れたニックたちは、独自に捜査を進めることに。 だがその先には、さらなるおぞましい死と、国家を巻き込む陰謀が隠されていた―。

メモ:
 ローマ市警ニック・コスタ刑事のシリーズ第3弾。
 今回は、タイトルの聖なる比率 = セイクリッド・カットという幾何学図形が死体に刻まれ、レオナルド・ダヴィンチの描いた裸の男が横に腕を広げ人間を描いた人体図のように死体が、雪の降る神殿に置かれているという現場から事件は始まる。
 この作者のスタイルは、好きな人は好きなんだろうなと。 みんな普通そうだよな。 嫌いなものは嫌いだし。
 プロローグは、クルド人の少女が戦乱を逃れるシーンから。
 今回は湾岸戦争開戦前の情報機関などの関与に起因することが徐々にあきらかになっていく。
 とりあえず、このシリーズはここまでななかな?

 ところで、上巻の前半でワインバーでのシーンがあり、その中でイタリア最古のブドウ品種から造られたワインと記述されていたワインが「グレコ・ディ・トゥーフォ(GRECO DI TUFO)」。
 初めて聞いた名前なので調べたら、南部のカンパーニャ州のワインだそう。 どんなワインなんだろ?