作品:冷酷 二見文庫 2000
作者:ポール・カースン(IE)
内容:「BOOK」データベースより
 厳寒の2月、ダブリンの有名産院でアイルランド有数の多国籍企業のオーナーに息子が誕生する。 だがまもなく、産院の検査室で看護婦が首にメスを突き刺された惨殺死体で発見され、数日後、退院したばかりの大富豪の息子が誘拐される。 この二つの大事件に、警察の必死の捜査がつづく… 殺人犯は? そして、赤ん坊の命は? 人間の心の闇を鋭く抉るとともに緊迫の11日間を分刻みで描き、アイルランドで17週連続ベストセラー第1位の異色サスペンス大作。

メモ:
 この作品は、作者の2作目の作品だが、翻訳は最初にされている。
 この物語では、2つの犯罪が同時並行して進んでいく。
 前半部分は、なんとなく面白みに欠ける印象を持ったが、後半はスピードが上がり、一気に読ませる。
 生まれたばかりの幼児を誘拐するのだが、犯人の顔や声を幼児が識別できないことから、幼児を誘拐する犯行を思いついた視点はなるほどな気がした。
 また、ダブリン在住の小児科医の作者らしく、医療現場の描き方は確かに詳しい。
 とりあえず、この作者の作品は2作のみでおしまい。