オッさんの備忘録 (ダダを捨てろ!)

一日一麺・アル中ハイマのおッさんの備忘録 読んだ小説や食べたものなどをメモします

G・スティーブンス

七月の暗殺者 上・下 ゴードン・スティーヴンズ

作品:七月の暗殺者 上・下 創元推理文庫 2005
作者:ゴードン・スティーヴンズ
内容:「BOOK」データベースより
 ベルファスト、7月12日 ― オレンジ・デイ。 獄中の同志たちを救うためIRA暫定派の闘士たちが立ち上がった。 祭日の行進は暴動と化し、爆弾を搭載したショベルカーが刑務所へ走る! その陰で王室を標的に、別の作戦が開始された。 工作員“スリーパー”とは何者か? MI5の覆面捜査官キャシー・ノーランは作戦阻止に乗り出す。 『カーラのゲーム』を超える硬質な冒険小説。

 イギリスに潜入して機を待つ“スリーパー”。標的は皇太子か、皇太子妃か、それとも女王か? 盤面の敵に翻弄されるMI5。 一方、ベルファストに、ダブリンに、IRA暫定派を追うキャシーだが、彼女自身にも刺客が! やがて、攻防の果てに現れた一人の女 ― 彼女が秘める過去とは? ルールなきゲームは破局へ。 英国冒険小説の雄が重厚かつ緻密に描く、北アイルランド紛争の裏面。
 
メモ:
 北アイルランドの紛争に関する作品は、独特の陰鬱さに気が滅入るような作品が多い気がする。
 カトリック、プロテスタントとか、対立する派閥というか名称がいくつもあり、とてもわかりにくい。 イギリス側も色々で訳がわからん状態。
 爆弾や襲撃に怯えて暮らす世界はどんなだろうって?生きた心地はしない世界だろうし、知りたい世界ではない。
 作品としては、前に読んだ作品同様、わりと良く出来ているかな?



 
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カーラのゲーム 上・下 ゴードン・スティーヴンズ

作品:カーラのゲーム 上・下 創元ノヴェルズ文庫 2000
作者:ゴードン・スティーヴンズ
内容:「BOOK」データベースより
 ルフトハンザ航空3216便がテロリストにハイジャックされた。 人質奪還のためにヒースロー空港に待機するSAS隊員フィンの胸中をよぎる疑い ― リーダーは彼女だ。 いや、それはありえない。彼女はもう死んでいるんだ。 しかし―。1994年冬、内戦に揺れるボスニアで、ひとりの女とSAS隊員を結んだ運命の交錯。 それが十か月後、ヨーロッパの空に新たな戦いの火蓋を切る!重厚な筆致で物語る感動の冒険小説巨編、ここに登場。
  1994年、ボスニア。 カーラはすべてを失った。 最愛の夫を、たったひとりの息子を、そして、帰るべき祖国を。 残されたものはひとつだけ、砲声轟く冬の夜にSAS隊員が口にした“敢然と戦う者が勝つ”という言葉。 それを胸に、彼女は非情な戦士に生まれ変わった。 運命に翻弄されるのではなく、自らの手で運命を切り開くために。 あえてテロリストの汚名を着てまでも、彼女は世界を相手に挑む ― カーラのゲームを、カーラのルールで。
メモ:
 少し前に古本屋で何気なく手にとって購入した本。
 ボスニア・ヘルツェゴビナ独立に際してのセルビア人・クロアチア人・ムスリム人の三民族紛争が物語の前提にある。
 旧ユーゴスラビアの解体に伴うこの民族紛争について、ほとんど知識がないまま読み始めたため、調べてみたものの、長年に渡り民族紛争が続いてきたバルカン半島の歴史は複雑でわかりにくい。
 ざっくりと整理すると、旧ユーゴスラビアは、元々スロベニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツゴビナ、モンテネグロ、マケドニアの6つの共和国からなっていたとのこと。そして、スロベニア人、クロアチア人、セルビア人、マケドニア人、モンテネグロ人の5つの民族が住み、言語も、スロベニア語、セルビア語、クロアチア語、マケドニア語の4種、宗教はカトリック、東方正教、イスラム教の3宗教と、日本の国土の67%ほどの小国に異なる民族、宗教、言語が混在・共存するという複雑な国。
 各共和国で民族主義が台頭し、1990年代に入ると各共和国が次々と独立を宣言。 ボスニア・ヘルツェゴヴィナは1992年3月に独立を宣言したが、セルビア人が約3割い、クロアチア人が約2割、ムスリムが約4割の民族分布の中で、それぞれの勢力が拮抗している状況にあり、覇権争い?権力闘争?が紛争の大きな要因だったそう。
 クロアチア人とムスリム人は共に独立と連邦離脱を進めようとしたのに対して、セルビア人は独立反対、連邦残留を主張していたので、3月の独立宣言直後から内戦状態となり、民族浄化などという常軌を逸した凶行に走り、泥沼化していった模様。 死者20万人、難民200万人という数字。
 写真で遠目から見る、ボスニアの街の美しさは、素晴らしい一方で、弾痕や砲弾の痕や崩れた建物の姿が沢山残っているのが痛ましい。
 島国で単一民族の日本人には想像も理解も超える世界だ。 サラエボ・オリンピックの後にこの紛争が起こっているのも何とも言えない。
 小説の中でも出てくるが、セルビアの民兵に町を包囲され、定期的に迫撃砲が飛んできたり、家の外に出て、食料を調達する時などにスナイパーの標的にされてしまうという凄まじい状況下で、いつも犠牲になるのは一般市民という視点から物語は進んでいく。
 カーラが主人公だが、別の主人公のフィン。 世界中で繰り広げられている紛争に周辺国や大国が介入する理由を作者が彼に語らせているが、正鵠を得ていると思う。
 小説とは言え、読み進んで結末に近づくにつれ手に汗握り、最後に涙が滲む。いい歳ぶっこいてね。久々にいい作品にあたった。

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