オッさんの備忘録 (ぐだぐだな日々)

一日一麺・アル中ハイマのおッさんの備忘録 読んだ小説や食べたものなどをメモします

T・オルビュリー

沈黙の向う側 テッド・オールビュリー

作品:沈黙の向う側 創元ノヴェルズ文庫 1990
作者:テッド・オールビュリー
内容:「BOOK」データベースより
 20世紀最大のスパイ、キム・フィルビーが亡命先のソ連からイギリスに帰りたがっている。 この知らせは英国情報部を当惑させた。 いったい、なぜ? KGBの新たな策謀ではないのか? 真相究明の任に当たった情報部員パウエルは、モスクワに赴いて本人に会う。 伝説の霧の彼方にパウエルが見出した驚愕の真実とは? 読後、何ぴともしばし茫然たらざるを得ないであろう。 スパイ小説の名手オールビュリーがその本領を存分に発揮した傑作。

メモ:
 キム・フィルビーを題材にした作品は多い。 フィルビーといえば、ケンブリッジ・ファイヴ。
 ファイヴとあるとおり、フィルビーを含め、1930年代にケンブリッジ大学に在籍し、共産主義を信奉していたことからリクルートされ、ソ連に寝返った5人のイギリス外務省や情報部などの職員のことを指す。
 他のメンバーは、ドナルド・マクリーン、ガイ・バージェス、アンソニー・ブラント、ジョン・ケアンクロスと言われている。
 寝返ったことが露見しそうになり、マクリーンとバージェスが亡命。その後フィルビーも亡命。
 この作品の中でのフィルビーは、ソ連にとっては重要性が低く、マクリーンが最重要扱いとなっている。
 実際はどうだったのかはわからない。

敵の選択 テッド・オールビュリー

作品:敵の選択 Playboy books 1980
作者:テッド・オールビュリー
内容:「BOOK」データベースより
 祖国を選ぶか人間としての愛をとるか! 第二次世界大戦直後の占領下ドイツで、対ソ諜報戦のさなかに逮捕した謎の人物のために、平凡な市井の生活を望んでいた諜報部員が国際諜報戦にまきこまれていく。 英国情報部、CIA、KGBの暗闘をバックに過去と現在をたくみに交差させ、宿敵との対決、男と女の愛の逃避行を描くサスペンス。

メモ:
 第二次大戦直後の占領下ドイツで諜報活動を行っていた主人公。 その当時、ソ連との境界線を越えて情報収集をする任務で、NKVD(KGBの前身であるソ連秘密警察)に拘束され、その後脱走。
 脱走後に英国情報部を辞めて民間人となっていたが、再び徴募されることとなり、物語は進む。
 物語の最初から舞台があっちゃこっちゃに飛んで、時も過去と現在を行ったり来たり。
 エピローグでは、共産圏にまた入ることになるが、そこからの脱出劇がわりと簡単に運ばれてくのは、あまり見ないパターン。

鏡の荒野 テッド・オールビュリー

作品:鏡の荒野 創元ノヴェルズ文庫 1991
作者:テッド・オールビュリー
内容:「BOOK」データベースより
 英国秘密情報部のソーントンは、ある日行方不明になった仲間の上級工作員を見つけ出すよう命じられた。 それも秘密裏に。 長期休暇を取って作業を開始したソーントンは、行く先々で様々な障害にぶつかる。 しかも、捜索を命じた上司自身も、何か情報を隠しているようなのだ。 秘密任務を帯びた情報部員がその任務に疑問をいだき、自分なりのルールで問題を解決しようとしたとき・・・・・・ スパイ小説の第一人者が、非常なるスパイのスパイたちの掟を描く。

メモ:
 「情報部員がその任務に疑問をいだき、自分なりのルールで問題を解決しようとしたとき」というのは「墜ちた工作員」と同じテーマかと。
 この作品では、昔で言うところの「超能力」を持った人間を情報機関が使うということが物語の背景にある。
 念動とか念力という、手を触れずにモノを動かしたり、人の心を読んだり予知したりというアレですな。
 作品の中では、超心理学という言葉が使われていて、人の心を読んだり予知したりという方の現象である超感覚的知覚(ESP)を持った人間がもたらす情報が利用できるのであれば、その破壊力は計り知れないものとなるはず。
 となれば、スパイ活動に利用するのはしごく当たり前な気がする。
 この手の話は、日本ではSF小説に分類されてたよな。 中学生の時に読んだ筒井康隆の「家族八景」・「七瀬ふたたび」なんかを思い浮かべた。 中身は全然違うけど。
 この作品のエピローグはなんとなく違う方へ向った気がした。

墜ちた工作員 テッド・オールビュリー

作品:墜ちた工作員 創元ノヴェルズ文庫 1993
作者:テッド・オールビュリー
内容:「BOOK」データベースより
 英国秘密情報部工作員ジョン・レンニーは、ゲリラに誘拐された仲間を救出するため、上司の命令のままに敵の連絡員の二人の子供を誘拐し、圧力をかける。 しかし計画は失敗。仲間はかろうじて救い出せたものの、誘拐した子供の一人は精神に異常をきたしてしまった。 幼い子供を巻き込んだ、あまりにも非道なやり方に疑問を感じたレンニーは、辞職しようと決心したのだが…。 英国でラジオドラマ化され大ヒットした、あるスパイの物語。

メモ:
 翻訳作品としては最も新しい作品。
 愛国者であり、命令は明確な目的があり、疑問の余地はないと考えていた工作員が、疑いを持つこととなる事案をきっかけに辞職しようとする物語。
 報部員はあまりにも多くのことを知りすぎているため、辞職しようとすると、秘密が漏れるのではないかと不安になる上司が辞めさせないためにすることは。
 主人公に色々なことを語らせているのは晩年の作品ではよくある気がする。

偽りの亡命者 テッド・オールビュリー

作品:偽りの亡命者 創元推理文庫 1987
作者:テッド・オールビュリー
内容:「BOOK」データベースより
 第二次大戦中、イギリスで一人のドイツ人スパイが逮捕された。 戦争が終わって十数年後、男は名を変え、西ドイツ政府の高官になっていた。 そして、突如、東ドイツに亡命し、内務省次官に昇進する。 イギリスに忠誠を誓った彼の過去、それは絶対に暴かれるおそれがなかった。 が、1本の電話が彼を奈落の底へ…。 エスピオナージュの名手が放つ会心作。

メモ:
 東西ドイツに分かれていた時代のころの設定で、タイトルのとおり、東独のスパイとして西ドイツに偽装亡命するところから物語は始まる。
 偽装は最初からイギリス側にバレていて、すぐに逮捕される。
 逮捕された場合には、獄中か、寝返ることを要求されるのがスパイ小説の中での定番。
 二重スパイとして送り込まれていたことが発覚する恐れが出てきて、救出作戦が動き出す。
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